「なせば成る
なさねば成らぬ 何事も」
その意味と本質とは

「なせば成る なさねば成らぬ 何事も 成らぬは人の なさぬなりけり」
米沢藩第9代藩主・上杉鷹山(うえすぎようざん)が、嗣子である実子・顕孝(あきたか)に仕える家臣たちへ、心得として示した言葉です。
この言葉には、「どんなことも、やれば成し遂げられる。できないのは、行動していないからだ。 」という意味が込められています。
しかし、この言葉は「やればできる」と背中を押すだけの言葉ではありません。
「なせば成る」は、幾多の困難を乗り越え、やり遂げた人だからこそ語ることのできる言葉。本当に大切なのは、「なさねば成らぬ」という一節ではないでしょうか。行動しなければ、何も変わらない。その覚悟と実践の精神こそが、この言葉の本質です。
江戸時代中期。17歳で藩主となった鷹山は、破綻寸前だった米沢藩の再建という困難な使命を背負いました。
当時の米沢藩は、多額の借金を抱え、藩を立て直すことが容易でないほど深刻な状況にありました。
そのような状況の中、鷹山は改革に取り組むにあたり、まず自らが質素倹約を実践することを誓いました。米沢の鎮守・白子神社に自ら誓いを立てた史実も残されています。
「米沢を立て直すため、自ら率先して質素倹約を貫きます。もし怠ることがあれば、神罰をお与えください。」
家臣や領民に求める前に、まず自分自身が行動する。その姿勢は、生涯を通じて変わることはありませんでした。
改革の途中では、家臣たちの反発や事業の失敗など、数え切れない困難に直面します。それでも鷹山は諦めず、生涯をかけて改革を続け、やがて米沢藩を立て直しました。
鷹山の軌跡が時代を超えて語り継がれているのは、藩を立て直したという結果だけではありません。困難な状況でも志を失わず、自ら率先して行動し続けた、その生き方そのものに多くの人が心を動かされるのです。
現代は「先行きが不透明な時代」と言われます。これまでの常識や正解が通用しない場面も増え、自ら考え、行動し、道を切り拓いていく力が求められるようになりました。だからこそ、「なさねば成らぬ」という言葉は、今を生きる私たちにこそ必要な教えなのかもしれません。
鷹山から受け継がれた志は、200年以上の時を超え、ここ米沢にあります。
「なさねば成らぬ」の精神が宿る、自力本願の地 米沢。その源泉をたどる旅へ、ぜひお越しください。