なせば成らぬの精神宿る 自力本願の地米沢

企業向け体験型研修ツアー「自分に誓う旅」参加企業ロングインタビュー

企業向け体験型研修ツアー「自分に誓う旅」に参加した企業様が、それぞれの意識や行動にどのような変化があったのか。
現地での体験が、どんな気づきや行動につながっていったのかをインタビューしました。

自分に誓ったあの日から半年

マツダ株式会社様 自力本願研修ツアー座談会

自分に誓ったあの日から半年― 米沢で芽生えた意識と行動の変化 ―

マツダ株式会社新規事業開発室の6名が参加した、米沢での企業向け体験型研修ツアー「自分に誓う旅」。
参加から約半年が経過したいま、それぞれの意識や行動にどのような変化があったのか。
現地での体験が、どんな気づきや行動につながっていったのかを、ロングインタビュー形式でひも解いていきます。

座談会メンバー
参加企業 /マツダ株式会社 様
別府さん
別府さん
薄さん
さん
古庄さん
古庄さん
蔵元さん
蔵元さん
菊池さん
菊池さん
矢島さん
矢島さん
ファシリテーター
沼澤
研修ツアーの様子
chapter01
半年後に見えた、
“内面からの変化”― マツダ株式会社の皆さんが語る、
米沢研修のその後 ―
半年後に見えた、“内面からの変化

自力本願の地・米沢での体験から半年余り——。
「自分に誓う旅」で出会った人々の姿勢や言葉は、マツダの参加メンバーそれぞれの内面に、静かに、それでいて確かな影響を与えていました。
変化は一人ひとり異なりながらも共通していたのは、「あるものを活かす」「挑戦を続ける」「やるかやらないかは自分次第」という、まさに上杉鷹山公の教えが息づくような意識の芽生え。
その実感と行動の変化を、参加者たちはこう語ってくれました。

沼澤

皆さん、「自分に誓う旅」から半年以上が経ちましたね。
改めて、自社に戻ってからの意識や行動にどんな変化があったか、お聞きできればと思います。
まずは古庄さんからお願いします。

古庄

はい。
僕にとっては、「職場に慣れよう」としていたスタンスを手放せたことが大きな変化でした。
これまでは、プロジェクトメンバーに気持ちよく仕事してもらいたいと思いながらも、自分は中途入社だし、とにかく早く馴染むことを優先していました。
でも、最近はそれをやめてみたんです。
昔の自分に戻ったような感覚がありますね。
若いころは時間も気にせずに、朝から夜中まで働いていましたが、今は時間を意識して「ここからはプライベート」と切り替えるようになりました。
働き方が大きく変わったと思います。

沼澤

その変化のきっかけになったのは、どんな場面でしたか?

古庄

一番大きかったのは、現地のオーナーの方々の姿ですね。自分の意思で、自分の責任で動いている。
オーナーシップを持って取り組む姿を見て、「自分もそうありたい」と自然に思うようになりました。

古庄さん

蔵元

私は、「日々を無意識に過ごしていたな」と気づかされたことが大きかったですね。印象に残っているのは、“かてもの※”の考え方です。

※かてもの…上杉鷹山が飢饉に備えて記した食の手引書の名。暮らしを支える“糧”を意味し、「あるものを活かす」精神にも通じる言葉。

お店を訪ねたときに、おかみさんが「これ作ってみたの、食べてみて」って自然に差し出してくださって。あの何気ないやり取りに、すごく心が動かされました。

あるもので工夫しながら、楽しんで暮らしている。その姿がとても印象的で、「こんな考え方や暮らし方って素敵だな」と思いました。
行動にまではまだ移っていないかもしれませんが、広島に転勤になってからは、夜に一日を振り返る時間が増えました。
「今日はただ流してしまったな」とか、少し立ち止まるようになってきています。

沼澤

矢島さんは、入社してすぐのタイミングでの参加でしたよね。その後、どのように感じましたか?

矢島

そうなんです。私の場合、「マツダに入社したこと」と「米沢に研修で行ったこと」がほぼ同時期でした。だから“会社の違い”なのか“ファムツアーの影響”なのか、正直見極めにくかったんです。

キャリア理論には「チェンジ」と「トランジション」があります。「チェンジ」は外側の変化、「トランジション」は何かを手放して内面が変わること。年が明けて、自分はまだ前職のやり方や意識を引きずっていたと気づき、「内面を変えなきゃ」と思えるようになりました。

もしこの研修がなかったら、私は今も同じ働き方や不満を抱えていたと思います。転職だけでは人生は変わらない。中身が変わらなければ、どれだけ環境を変えても意味がない。今年に入ってから、その実感が強くなりました。

そこから「チームで働くとは何か」を考えるようになり、「自分だけで完結していればいい」という考えからも少しずつ離れられるようになっています。

矢島さん
沼澤

入社早々、内面に向き合う機会になったんですね。

矢島

はい。やっぱり一番大きな変化は“転職”という外的なものなんですけど、それに加えて“内面”にもじわじわと影響が出てきている、そんな実感があります。

沼澤

菊池さんはどうでしょう?

菊池

米沢で一番印象に残ったのは、鷹山公が“あるもの”を活かしていたという点です。普段は、足りないものがあれば買えばいい、ネットで安く手に入るならそれでいい、という考え方だったんですけど……。

今はまず、「これってあるものでなんとかできないかな?」と考えるようになりました。実際、入社のきっかけになったプロジェクトが止まりかけたとき、「このまま終わらせるのはもったいない」と感じて、何か別の形で活かせないか、社内で提案してみたんです。

米沢の皆さんが本当にパワフルだったことは、強く印象に残っています。年齢に関係なく元気に生きる姿を見て、「人生は気持ちやモチベーション次第で楽しく生きられるんだ」と思えるようになりました。

特に「さしこ体験」と「廟の隠れ家」さんへの訪問。奥様がとてもパワフルで、生き生きと暮らしていらっしゃる姿は、今でも忘れられません。

私はいま、管理職としてチームを見る立場なんですが、いつの間にか「ある程度、自分の手の中で回せる」と思って、どこか“ほどほど”で落ち着いてしまっていた部分があったんです。

でも米沢で出会った皆さんは、すごく前向きで。「今チャレンジしている」と何人もが言っていて、印象的でした。キャリアを積んでもなお挑戦を続けている。自分の「オーナーシップ」を大切にして、「自分が変えていく」という思いで動いている姿に、すごく惹かれました。

遠藤先生や、新田さん、登府屋旅館の遠藤さん……それぞれの現場で、自分の得意分野を生かして前に進んでいる姿に、「自分も、もっとやれることがある」と奮い立たされましたね。

もちろん、私自身が100%同じようにできているわけではありません。でも、困難な課題にぶつかったとき、「これを乗り越えるのは自分だ」と覚悟をもって、全力で取り組もうと思えるようになりました。

今でも、難しい場面に直面するたびに、「あのとき、ああして挑戦していた人たちがいたよな」と思い出して、自分を奮い立たせています。「なさねば成らぬ」ですね。

沼澤

別府さんは、チームを引っ張る立場として、どのように感じられましたか?

別府

そうですね。印象に残っていることは大きく2つあります。
ひとつは「あるものを活かす」という考え方。そしてもうひとつは、「イノベーションが起き続けている」という点です。

正直に言うと、米沢に対しては「歴史ある、伝統のまち」というイメージを持っていたんです。でも実際に訪れてみると、そこでは新しいことが次々と生まれていて、それがすごく意外でした。

「なぜイノベーションが起きているんだろう?」と考えて驚いたのは、米沢の人たちが「変革を起こそう」と意識していないことです。東京では「変革が必要だ」と言いながら何も起きない場面も多いのに、米沢では自然に変化が生まれている。その理由は「確かな専門性があるから」だと思いました。

たとえば、新田さん。ずっと織物を受け継いでいて、「この織物は、もううちでしか作れないんです」とおっしゃっていた。ああいう“ユニークな専門性”があるからこそ、新しいことが生まれるんだと感じました。

そして米沢のすごいところは、それに“新しい要素”を組み合わせているところ。
この「専門性」と「融合」の両方がそろうことで、イノベーションが本当に起きるのだと実感しました。

別府さん

別府

その体験を受けて、僕自身の中にも大きな変化が起きました。今年の4月、「地域地産チーム」という新しいチームを立ち上げたんです。これは、広島という自分たちの拠点の中にある資源や可能性を見つめ直し、そこから新しい事業を生み出していくことを目的としたチームです。

これまでは「足りないものは外から調達して埋める」という、“ないものねだり型”のアプローチが多かった。でも、そのやり方では限界があると感じるようになっていました。外部からリソースをかき集めて、一時的には前に進んでも、結局みんなが疲れてしまって終わることが多かったんです。

だからこそ、米沢での経験を通じて、「今あるものに目を向ける」ことの大切さに気づかされました。広島にも、まだ見えていない資源がある。そこにこそ可能性がある。そう思えるようになったんです。

別府

今、その取り組みを進めている中で、チーム全体にも良い影響が出てきています。これまでは、理想やビジョンを掲げて、それにどう近づくかを考える“ビジョンドリブン”のスタンスが強かったと思います。でも今は一度立ち止まって、「今あるもの」に目を向けるスタンスに変えました。

たとえば、古庄さんがいろんな案件を提案してくれるときに、それが面白そうだと感じたら、まずは拾ってみる。そこから、チームで一緒に考えて動く。オペレーションも変わってきていますし、僕自身の判断軸も変わりました。

実は今まで、僕らは意外と閉じた組織だったんですよ。自分たちだけで何とかしようとしていた。でも、そうじゃなくて「一緒にやる」ことを、もっと大切にしたいと思うようになりました。

別府

さらに個人的には、「専門性をもっと高めたい」と思うようになって、ある資格の勉強も始めました。以前は、資格に対してどちらかというと否定的で、「現場で活かせるか分からないものを取っても仕方ない」と考えていました。

でも、米沢で「自分の専門性とどう向き合うか」を問われた気がして。そこで、「あ、自分にはまだ足りない部分があるな」と気づいたんです。

それからは、「足りないなら学べばいいじゃないか」と思えるようになりました。今は、これまでの経験だけではカバーできない領域に、コツコツと挑戦しているところです。

別府

この研修は、僕にとって本当に大きなターニングポイントでした。「組織としての変化」と「個人としての変容」、その両方のきっかけになったと思っています。

鷹山公の言葉「なせば成る、なさねば成らぬ、成らぬは人のなさぬなりけり」。結局、やるかやらないかは自分次第だと実感しています。棚卸ししてみると「やってないけど本当はやらなきゃいけないこと」が多く、「じゃあやるしかない」と。

部門長だと人に責任を求めがちですが、結局は自分が動いていなかっただけだと痛感しました。今は「人のことを言う前に、まず自分がやれ」というマインドになっています。

沼澤

すごく共感します。マツダさんのように、個人と組織が同時に変わっていくプロセスに触れられることは、私たちにとっても大きな刺激です。まさに、「なせば成る、なさねば成らぬ」。その言葉がピッタリですね。

chapter02
動き始めた決意― 行動に表れた変化 ―
動き始めた決意

研修で誓った“自分自身への問い”は、その後どのような行動に結びついているのか。
半年という時間の中で、自らの目標に向けて具体的に動き出した人はいるのか。
小さな一歩でも、行動に移したその背景には、米沢で得た気づきや想いが確かに息づいていました。

沼澤

あのとき絵馬に込めた目標や想いに対して、どんな変化があったでしょうか?

ファムツアーの最後に絵馬を書いたとき、「仕事の目標を書かなきゃいけない空気」がちょっとあった気がして……あまり人には言ってなかったんですが、実は「ダイエットします」って書いてたんです(笑)。

しばらく寒くなって、なかなか継続できない時期もあったけど、それがずっと“心の棘”のように残っていたんですよね。「これは抜かないと」と思って、一念発起して走り始めました。

今はだいぶ体重も落ちてきてます(笑)

以前、別府さんから「それを思い出すのって、どんなときですか?」と聞かれたことがあるんですが、僕、走ってるときは毎回思い出してるんですよ。

「あのとき、書いたよな」「自分と約束したよな」っていう気持ちになって、続ける原動力になっています。

古庄

僕は2つ書いたんですけど、1つはプライベートな内容なので……もう1つの方を話しますね。
…あの、「リトルホンダ」ってご存知ですか? サッカー選手の本田圭佑が「リトルホンダに聞いてみた」と言うじゃないですか。あれを自分でもやってみようと思って。

自分の中にもう一人、“虚像の自分”がいて、そいつに「本心どうなんだ?」と問いかける。
だから僕の場合、絵馬に書いたのは具体的な目標というより、「判断の軸」みたいなものでした。

何かを決めるときに、「それでいいのか?」「本当にやりたいのか?」と、リトル古庄に照らしあわせて自問自答しています。

沼澤

素晴らしいですね。薄さんも古庄さんも、共通して「自分」が出てきますよね。
他の誰かじゃなくて、自分自身と向き合っている。

矢島

いくつか書いたんですけど、たしか「モビリティ芸人になる」って書いたんですよね(笑)
明確に“達成”がどこかは分からないけど、それに伴って「毎月県外に出る」というルールを自分に課しています。海外にも行ったし、初めての場所にも行くようにしています。
やっぱり、目標を立てているかどうかで、行動は全然違ってくるんだなって思います。

普通は「毎月旅行に行こう」と思っても、なかなか実現できない。でも、あのとき絵馬に書かなかったら、たぶん今ごろ全然行けてなかったし、たとえ行けたとしても「ただ行っただけ」で終わっていたと思います。

今は、「この場所でどんな体験が得られるか?」「自分に何か残るか?」という視点で動いているので、そういう意味でも、「絵馬を書いてよかったな」と感じています。

蔵元

私は「自分らしい事業をつくる」ということを絵馬に書きました。
“自分らしい”というのは、違和感を覚える感覚や「これいいな」と思える感覚を軸に、何かを形にしていきたいという意味で書いたんです。

でも、僕自身これまで惰性で生きていた人間だったので、自分が何を感じているかをちゃんと見てこなかった部分が多かったなと思っていて。

特に広島に来てから、「自分がちょっと違和感を覚えたこと」や「何かを感じた瞬間」を見逃さず、少しずつメモにとって言語化するようになりました。今はそれを意識的に始めているところです。

蔵元さん

菊池

私は実は、絵馬を書くのにすごく時間がかかってしまって……当日には書けなかったんです。
でもその前に占いで「5年後にバズる」って言われたことがあって(笑)。ただし、それまではしんどい時期が続くとも言われて、なんかそれがずっと心に残っている状態でした。

何を手段にしてバズるのかが全然見えていなくて、でもどうしても“仕事でバズりたい”って気持ちはあって。最終的に書いたのが——「東洋経済新聞でろくろを回す※」(笑)

※インタビュー中に、話しながら手を大きく動かすジェスチャーを「ろくろを回す」と例えるユーモア。

そのためには成果を出さなきゃいけない。前職ではそのチャンスがあったけど、今はマツダという環境で、サポートの役割でもまだ全力を出しきれていない。だからこそ、「今までとは違う自分の一面を引き出す」「新しい領域に挑戦する」ことが必要なんだと感じました。

絵馬に込めたことで日々の行動も変わりました。欲しいと思ったものの理由を考えたり、商品の開発背景を知りたくてインタビューを読んだり。バズるには、まず行動すること——そう思えるようになったのは大きな収穫でした。

別府

僕も、あのときは書けなかったんです。
キャリアについて書こうと決めていたけれど、2日間ではどうしても書ききれずモヤモヤしていたんです。でも今はだいぶクリアになってきた。次に行ったときには、ようやく具体化できた「3年後の姿」を書こうと思っています。ファムツアーは、本気で「自分の人生を変えよう」と思える、そんなきっかけになりました。

でも実際、書けなかったのには理由があるんです。あの場って、ただ「こうなりたい」と願うだけじゃなくて、「お前、本当にやるのか?」って、自分に問う場なんですよね。それを“文字”にして書く。しかも、「できなかったら罰が当たるかも」と思う(笑)。だからこそ、軽々しくは書けなかった。
言葉にするって、めちゃくちゃ覚悟が要るんだなと、改めて思いました。

自分に返ってくると感じた瞬間、めちゃくちゃたじろぎましたね。

神社に行くと、おみくじを引きますよね。おみくじは“受動的”で結果を受け取るだけ。一方、絵馬は“能動的”でめちゃくちゃ具体的。「〇〇大学に合格したい」など、願いがリアルで行動が伴う。書くことで嘘もごまかしもできず、自分の中で“やるしかない”というスイッチが入ります。

「毎日頑張る」と書いた瞬間に測れない目標になる。“頑張る”を「毎朝6時に起きて30分勉強する」まで落とし込まないと誓いにはならない。僕が書けなかったのは解像度が足りなかったからです。

菊池

私にとって絵馬は特別な行為。普段はお賽銭だけど、絵馬は“本気”のときだけだから、嘘は書けないんです。

沼澤

たしかに。鷹山公もまず具体的な行動から始めていますよね。
そうやって“能動性”と“具体性”を伴わせることが、誓いを実行に移す力になるのだと思います。

別府

さっき話した「資格の勉強を始めた」という話もそうですが、自分のキャリアを“このままの延長線上ではない方向”に進めようと考えたとき、「何が必要なのか」がわかっていなかったんです。

でも、いろんな方に相談したり、実際に動いてみたりする中で、ようやく輪郭が見えてきて。だから、次に訪れたときには、それを絵馬に書こうと思っています。

ファムツアーは、本気で「自分の人生を変えよう」と思える、そんなきっかけになりました。

沼澤

そう言っていただけるのは、本当に嬉しいです。

chapter03
ふとした瞬間に蘇る、
米沢の記憶
動き始めた決意

ふとした瞬間に思い出す、あの風景、あの人の言葉。
米沢での出来事は、いつの間にか参加者の暮らしの中に溶け込み、価値観や行動の選択に静かに影響を与えていました。
今回は「日常生活において米沢を思い出す瞬間」について、参加者それぞれのリアルな声を聞いていきました。

沼澤

日常生活において、ふと米沢での出来事を思い出す瞬間はありますか?

菊池

あります、あります。うちの父が東光さんの梅酒の大ファンになっちゃって(笑)、一升瓶を定期便で買ってるんです。届くたびに「あ、米沢だなぁ」って思い出します。もう3本目くらいですね。

それと、テレビで上杉鷹山公の名前が出てくると、思わず反応しちゃいます。
ふるさと納税の時期にも、「米沢のもの、何か頼もうかな」って思うようになりましたし、久しぶりに会った友達に「最近どう?」って聞かれると、「実は入社して1か月で米沢に行ってね…」って話すことが多くなりました。

写真を見せると「え、なにそれ!」って食いつかれるし、「記事にも載ったんだよ」と言うと結構盛り上がるんです。
牛肉も温泉も景色も人も本当に良くて、自然とおすすめしたくなっちゃう。だから「次はプライベートで行きたいな」と本気で思ってます。

菊池さん

矢島

私も、日常の中で思い出すこと、すっごくあります。
すごく印象に残ってるのが、夜に自転車で走っていた男子高校生(もしかしたら中学生)4人組の姿。途中で信号が変わったとき、前の2人はそのまま進んで、後ろの2人はちゃんと止まったんですよね。

私はその場をたまたま通りがかって、「あの判断の裏にあるインサイトって何だったんだろう?」って、ずっと考えていました。

最初は、「誰かに見られてる」「なんとなくやめといたほうがいい」という感覚かなと思ったけど、最近ではもっと根源的に、「自分が正しいと思うことをしたい」という気持ちから来てたのかもしれない、って思うようになったんです。

米沢に行って感じたのは、あの街にはその“正しさ”を持って生きている人が多いということ。

まるで「正しく生きたい」という気持ちを引き出されるような空気があるんです。日常の中でもふと、「あの判断は、自分の中のどんな正しさに基づいてたんだろう」って、立ち返ることが増えました。

たとえば、「矢島さんってちょっと変だけど、やってることは正しいよね」と言われるような判断をするか、それともただ“変な人”で終わるか(笑)。そういう選択の時に、自分が「正しさ」を選んでしまう。そこには何か深い欲求があると思うんです。

米沢の方々は、それぞれが「これが自分にとっての正しさ」というものを持っていて、それを言葉にできていて、それを実際に行動で示している。あれは本当に印象的でした。

沼澤

それって、もしかしたら——鷹山公の教えが、街全体に“息づいている”からなのかもしれません。

矢島

本当にそう思います。
“息づいている”って、「皆の中に“リトル鷹山公”がいる」ってことじゃないでしょうか。

全員

リトル鷹山公!(笑)

沼澤

……忘れられない存在ですよね、本当に。
鷹山公の思想って、理屈じゃなくて、ちゃんと人の心に届いてるんだなと思います。

あ、ちょっと私からも。
これ、新田さんで買ったティッシュケースなんですが、ずっと毎日持ち歩いてるんです。ふと目に入るたびに、「ああ、米沢に行ったな」って思い出します。
行った先々の経営者の方々が、自分で工夫して、挑戦して、事業を立ち上げて……あの姿にすごく刺激を受けました。
このティッシュケースを見ると、そうした情景が浮かんできますし、自分の中の“原点”として思い返すきっかけになっています。

薄さん

蔵元

私も最近、広島で料理をするようになって、日本酒を使い分けながら楽しんでるんです。
秋葉味噌さんでの体験を思い出すというか、どんな味になるかな?って考えてるうちに、ふっと米沢のことを思い出すんですよね。

沼澤

秋葉味噌さんの「廟の隠れ家」での体験、よかったですよね。秋葉会長のチャレンジもそうですし、あそこでしか食べられないものを提供されていた。

「あるものをどう工夫して価値を出すか」という発想が、とても印象に残っています。そういう体験が「何かやってみようかな」「こんな工夫もできるかな」と、日常の発展につながるのかもしれませんね。

古庄

僕も東光さんのお酒、あのあと買って新年会に持っていきました。
会食のときに「どこの店がいい?」と聞かれると、つい米沢のお店を挙げたくなる。あと、織物入りのキーホルダーを新田さんからもらったじゃないですか。あれを息子に渡してて、毎朝鍵を渡すときに思い出します。

それと、少し話がずれるかもしれませんが、「あのツアーってやっぱり良かったな」って考えることがあります。

前回はこのメンバーだったけど、今はメンバーが変わっているので、今のメンバーも連れて行きたいなって思ったりします。

沼澤

この研修は、スタートアップのチームには特に有効かなと思っていたんですが、実際、皆さんのように行動にまで結びついている様子を見ると、確信に変わりますね。

古庄

うん、結構刺さってると思います。自分がそう思ってるから、そういうふうに話しちゃってるのかもしれないけど。

沼澤

スタートアップの方にささるのは、この研修が本質的に相性の良い内容だからだと思います。
売上に直結する研修とは違い、変化に挑む姿勢や新しい価値を生み出す力を育むことを重視しています。

別府

僕らで言うと、“研修”ってありますよね。研修にお金を出すかどうかは、「目的」によるんです。

たとえば「即効性のあるスキルを身につけさせたい」っていう目的なら、マーケティングセミナーとか営業セミナーになりますよね。つまり“スキル”や“テクニック”の研修。

でも、氷山モデルってあるじゃないですか。成果という“氷山の上部”を支えるためには、下の構造が必要なんです。

成果が出るための階層があって、一番上に「スキル」、その下に「行動」、さらに下に「価値観」とか「組織の文化・風土」がある。

“自力本願研修ツアー”は、まさにこの一番下の層、つまり「マインド」や「価値観」の部分にアプローチするものです。

だから“短期的な費用対効果”で測れるものではない。そして、この価値観に共感して参加してくださる企業は、確実に存在しています。

沼澤

本質からご理解いただきありがとうございます。
別府さんは、米沢をだいぶ気に入っていただけていますよね(笑)

別府

僕、完全に“米沢ラバー”になっていて(笑)。
たとえば「うまいたれ」、あれは万能。あと「うこぎの苗」がどうしても欲しいんですけど、入手が難しくて…。
最近は、「いつも持ち歩けるアイテム」が欲しくなってきました。たとえばペンとかノートとか。あの時の気持ちを、日常でも呼び起こせるようなグッズがあればいいなって。

あれって、誓いを立てた“あと”が大事じゃないですか。

ダイエットでもそうだけど、思い立って3日間は燃えるけど、4日目以降は落ち着いちゃって、結局負けるみたいな(笑)。
あの継続性をどう保つかは、めちゃくちゃ課題なんですよ。

このツアーも、行った時はすごく盛り上がる。でも、その“あと”をどうにかしたい。

古庄

ノート、いいかもしれないですね

沼澤

うん、ノートいいですね。

別府

日記とかもいいかもですね。「鷹山公日記」みたいな感じで、日をめくりながら、表紙には“自分の誓い”を書いたりして。

つまり、この“間”をちゃんとつなげてくれるグッズが、めちゃくちゃ欲しいんです。

沼澤

ちょっと計画してみます!
皆さんの“思い出すきっかけ”って、それぞれに形があって、本当に面白いですね。

別府

もともと皆さんをお連れした時も、さっきの“氷山モデル”で言えば、もっと根っこの部分に影響を与えるものだと思ってたので、すぐに変化が出るとは思っていませんでした。

でも、想定よりもすごく変化が出ている印象があります。
きっと他の企業さんが参加しても、同じようなことが起きるんじゃないかと。意外と“深いところ”を揺さぶっても、人ってちゃんと動くんだなって思いました。

人材開発的に言えば、この「一番触れづらいところ」に刺さっている。それがすごいなと。
表層的なものには触れやすいけど、深い層に響くのは本当に難しい。
でもこのツアーはそこに届いている。それが、いちばん効いてるのかもしれません。

この研修って、「何かを教えてあげる」っていうスタイルじゃないんですよね。
環境は用意するけど、あとは「自分でどう考えるか」。その“ゆさぶり”ができたのかなって。

企業の人たちがこういう場で“心を揺さぶられる”って、やっぱり価値がある。そこに糸口がある気がしています。だから、もっと見つけていきたいですね。

また、こういう機会があればぜひ。

沼澤

薄さんも藏本さんも、オンラインでのご参加ありがとうございました。
今日いただいた声は、これからの米沢の励みになります。
本当に、ありがとうございました。

一同

こちらこそ、ありがとうございました。

chapter04
火種を育て、つなぐ研修― 内にある想いを見つめ、
行動へとつなげる ―
火種を育て、つなぐ研修

人材育成において、何かを一方的に“教える”のではなく、もともとその人の中にある「想い」や「問い」に火を灯すことが、最も本質的な人づくりではないでしょうか。

米沢での出会いや対話、体験を通して、参加者たちはそれぞれの「火種」となるような感情や気づきを持ち帰りました。
そしてその火は、日常のふとした選択や行動の中で静かに息づき、周囲にも波紋のように広がっています。

人が変われば、組織が変わる。
人づくりが未来づくりへとつながる可能性を、この研修は静かに、しかし確かに示してくれました。

マツダ株式会社様が参加された
企業向け体験型研修ツアー「自分に誓う旅」
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